TOPスポンサー広告 ≫ 「源氏物語」1987年日本アニメTOP懐かしドラマ映画 ≫ 「源氏物語」1987年日本アニメ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Comments (-)Trackbacks (-) | スポンサー広告

「源氏物語」1987年日本アニメ

世界的にも超有名、世界最古の小説と位置づける人さえいるあの「源氏物語」
プレイボーイで有名な光源氏の青年時代の恋模様をアニメで描いた映画だ。

なんという美しさ
ge1.jpg

時代考証を踏まえた上で、
光源氏を「自らの想いのままに行動する自由人」として、結束しない髪、耳にピアス、小さな口に紅をさし、
ge2.jpg

女と見間違うほど美しい青年にデザインしたのはアニメならではの手法だろう。
おかげで、彼が「私は何をしても許される身なのです」と言っても、そのようですねぇと納得してしまう。
生身の人間がこれを口にして生々しい厭らしさがあっては、源氏ではないのだ。

杉井ギサブロー監督が狙った長閑な横PAN演出、
CGを駆使した背景美術、
ge3.png
林静一のキャラクター原案、名倉靖博のキャラクターデザイン、
きぬずれの音、そして細野晴臣の音楽は
今のワタクシにとって癒し以外のなにものでもない。

映画には杉井流の完璧な王朝の美の世界があった。髪の一筋一筋が微妙なニュアンスを持って美しい。
それが抑制の効いた動きとあいまって、徹底的に上品なエロスを醸し出す。

この映画では源氏と六人の女性との恋模様が描かれている。
まず「夕顔」、彼女は逢瀬の最中に亡くなってしまう。
ge4.png

源氏の亡き母、桐壷にそっくりの「藤壷」
彼女は源氏の父帝の妻の一人ですから、継母ですが、源氏が執拗に迫って身ごもってしまう。
父帝はそれを知ってか知らずか、産まれた男児の後見を源氏に託して逝去。
ge5.jpg
後に彼女は髪を切って、仏門に入る。

源氏の正妻「葵の上」。政略結婚だったのか、今一つ夫婦の愛が育たない二人。
六条御息所の生霊に命を脅かされながら源氏の子を産んだことで、やっと夫婦らしくなるも他界。
ge6.png
↑これは六条御息所が憑依しているので目付きが怖い。

元東宮の妃だった「六条御息所」
ge7.jpg
ge8.png
カーリーヘアで情熱的な大人の女として描かれる。
葵の上を生霊となって襲った我が身を怖れ、斎宮になった娘と共に伊勢に去ってしまう。

源氏が「ほかの誰にもどこにも渡したくない」として引き取った「紫の上」
ge9.jpg
ge10.jpg
最初こそ「このロリコンめっ」とあきれるが、紫の姫は藤壷によく似ているだけでなく
芯のしっかりした女に成長していく。

そして「朧月夜の君」こと、弘徽殿の六の姫で、東宮(のちに帝)の妻!
ge11.jpg
ge12.png
源氏が大胆なのか、六の姫が大胆なのか
あるいは二人とも大胆なのか。
逢引きを姫の父に見つかっても、源氏はさらりと和歌を詠んで扇を優雅に投げ渡す。
このスキャンダルが帝への反逆罪に問われ、彼はすべてを紫の上に頼んで須磨へ流罪になる。
 
源氏はそれぞれ本気で恋をしている。
遊びではないらしい。
源氏の付き人、惟光↓が「本当が一つだけだと、面倒を産まずに済むのですがね」と皮肉を言っても
ge13.png
源氏本人は真剣に悩んでいるのがおかしい。

そんな光源氏だが、桜の花びらを幻視するたびに女性との別れが訪れる。
どうやら幼い日に母・桐壷を亡くした思い出と桜の花びらを樹のうろに閉じ込めた行為が
彼の女性に対する原風景を作ったらしい。
ge14.jpg
ge15.jpg

ラスト近くで紫の上と結ばれた源氏は夢か現か、幽体離脱して京の都を俯瞰する。
(ここで彼のおヌードがあるのだが、それだけは美しいとはいえない。半端にマッチョだ。)

さらに彼は巨大な幻影と対峙する。青い太陽(あるいは月か)、そして大きな桜の樹。
やがて彼は舞う。
扇が現れ、烏帽子に衣冠束帯が現れ、源氏は桜と対決するかの如く、堂々と舞う。輝いて消滅する桜。

彼は亡き母への想いを、去って行った女達への想いを、昇華したのだろうか。


今回のプラスワン

高校時代などは「源氏物語」といえば
「非生産性の象徴(最上級貴族で詩歌管弦するのが仕事)マザコン光源氏」というキャラクターが好きになれず
ついでに
「古文のテストで紫式部の比喩・隠喩・遠回しで優雅な古語表現に苦しめられる忌まわしさ」がかさなって
源氏物語を敬遠していたフシはある。

谷崎潤一郎訳「源氏物語」を読んでみたりしたが、ついに琴線に触れずじまいだった。

しかし、人間年を取ると丸くなったのか。
光源氏のキャラクターを「マメ男で、本気のタコ足配線が得意技」
「宮中の権力抗争でスキャンダル起こして、弘徽殿女御にやられちゃったか」などと
芸能界&政界視点で楽しめるようになっていた。

これは夢枕獏原作・岡野玲子の漫画「陰陽師」のおかげかもしれない。
ge16.jpg

途中から物凄い勢いで岡野ワールド全開になり
たいへんおもしろいことになった漫画だ。

平安時代&王朝文化は、あまりにも古代で、
文章で読んでも、た易くイメージ出来ない部分が多いのが難点だった。
が、岡野玲子の「陰陽師」はそれを十分補ってくれた。
しかも、彼女の当時の絵はこの映画と通じるかのように、完璧な王朝の美と象徴的な陰陽の世界を持っていた。

偶然にもワタクシの本棚にまだ読んでない「十二単を着た悪魔」がある。
「源氏物語」での悪役、弘徽殿女御を現実的なキャリアウーマンとして書いた小説らしい。
タイトルは、映画「プラダを着た悪魔」から取ったかなと推測して後書きだけ読んだら、そうだった。
母が勝手に置いていって数年放りっぱなしにしている。
この機会にちょっと読んでみようかと思っている最中だ。

(元記事は2013年10月5日に書かれました・エントリー728)

その後、読んでみたが、所詮はそこそこデキる青年がやる気出ました的オチで何かと説教くさい。
弘徽殿の胸のすくような活躍を期待しちゃいけませんでしたね。はい。
関連記事
スポンサーサイト

Comment













非公開コメントにする
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。