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「血とバラ」1960年フランス・イタリア合作

一応、吸血鬼映画なので恐怖映画枠に入れようかと思案しましたが、どーみても恐怖映画ではありません

むしろ時を越えた恋物語という印象。

だってねぇ…時代は第2次世界大戦後、立派に大型旅客用飛行機が飛んでるシーンから始まるのですよ。
現代風ゴシックと位置づけるにしても、けだるい映像とけだるい展開はそれほどゴシックでない。
むしろ耽美です
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血まみれシーンを期待してはならない。かわりに幻想的なモノクロシーンが楽しい。

原題「Et mourir de plaisir」あるいは「Blood and Roses」(英語吹き替え用のタイトルかな?)

ローマ郊外の城に婚約中のカップルが居る。
カーンシュタイン家の若い当主レオポルド↓と美しいジョアンナ↓(黒髪の女)。
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婚約記念パーティに花火を打ち上げるため花火師が呼ばれている。
彼が提案したのは墓地の上の丘一帯を光で染めるというものだった。

その墓地に関しては古い伝説があった。
レオポルドの従妹、カミーラ↓や招待した医師達を交えて伝説を語り合う。
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それによると、カーンシュタイン家は吸血一族で、1759年に血を吸われるのに反抗した農民達により、
墓で眠っていたところを一網打尽にされて、吸血を廃業したというものだ。
ただ一人、ミラーカという女だけが難を逃れたという。
ミラーカの肖像画があるが、カミーラは肖像画の主と瓜二つなのだ。

この辺はちょっと不気味ムードが漂って、「いよいよ女吸血鬼の登場か?」と期待したら肩すかしです。

で、いきなり婚約パーティ。
仮装した人々のカオス空間になっています。例の花火が打ちあがり、皆さん大喜び!
ところが、
戦争中にドイツ軍が埋めた地雷が爆発、花火より派手なことになってしまいます。
そのころカミーラはレオポルドへの想いが募り、やけになったのか、肖像画ミラーカと同じ白いドレスを着る↓と、
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あら不思議。
彼女は爆発で封印が解かれたミラーカの棺まで導かれていきます。
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これが実に不思議な絵で、まだ小規模な爆発や花火の噴出中の墓地を白いドレスの女が歩いて行くのです。
監督ロジェ・ヴァディム、
頭のネジが何本か抜けているように思えてなりません(褒め言葉)。

そうして霊魂がどうのこうのモノローグが続いてる最中にミラーカはカミーラの魂を乗っ取ったわけです。
吸血シーンも血の一滴もありません。これが監督の美学なのでしょう。

カミーラの行動がおかしくなり、城の奉公人達は吸血鬼伝説を思い出します。
その中の美少女(女吸血鬼が欲しくなるような可憐さです!)が転落死状態で見つかると、
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マジで吸血鬼の仕業と決めつけて、
10歳くらいの仲良し少女達↓(これがまたかわいい!)はニンニクを首に巻きつける始末。
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さてカミーラになったミラーカは何を狙っているかというと、やっぱりレオポルド。
そのために、今度はジョアンナに乗り移らねばならない。
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ジョアンナの唇に一滴ついた血を接吻で吸い取るなど、
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うっとりな耽美なシーンが続きます。

そして、けだるい展開の中で、いきなり登場するジョアンナの夢のモノクロシーン。
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これは悪夢に近いのに、たいへん美しい。
特に窓の外が水面になっていて、死んだ美少女が誘うようにジョアンナを呼ぶ。
長い廊下に並ぶ女達はこれまでミラーカが手に掛けた女なのか。
最後に現れるトンデモな手術台の上の女。
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それはカミーラの死を暗示している。
そのとおりに、カミーラは墓地に彷徨い出て、爆弾処理の爆発に巻き込まれ、柵の杭に胸を刺して絶命するのだが、
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これまた監督の美学が発揮されて、ちっとも怖くもグロテスクでもない。ひたすら美しい。

そして新婚旅行(?)に出たらしいレオポルドとジョアンナなのだが…、彼女の魂はミラーカであるようだ。
その演出はバラの花が瞬く間に枯れて色褪せるシーンに暗示されている。

これほど血の流れない吸血鬼映画も珍しいだろう。
そして、これほど美しい吸血鬼映画も珍しい。

ワタクシは時々思うのデス。
もしもロジェ・ヴァディムが萩尾望都の「ポーの一族」を映画化していたら…、と。
おそらく展開はもたつくものの、どこを切り取っても「耽美」としかいいようのない映像を撮ること間違いないでしょう。

そんな妄想に浸りながら、けだるいフィルムを楽しむのが、ワタクシの夏のストレス解消なのです。


今回のプラスワン

「吸血処女イレーナ 鮮血のエクスタシー」の監督といい、
本作のロジェ・ヴァディムといい、
欧州には「緩く、けだるく、美しく」まとめて「お耽美」をモットーにしているタイプの監督群があるに違いない。

その最高峰がイタリアのルキノ・ヴィスコンティと思えるのだが、
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彼の場合はお貴族さまゆえか、「退廃、華麗、美しく」であり、たんなる耽美でないところがヴィスコンティ。
しかし、
ヴァディム、大作を撮るわけでもなく、ひたすらキッチュな「バーバレラ」を遺したように
自らの美学を通したのも、さすがと言いたい。
つーか、
美女をとっかえひっかえ自分の映画の主役にして、妻にして、恋人にして、プレイボーイの名を馳せたヴァディムの生涯があっぱれなのだ。

自分の世界に正直に生きたところは、スティーブ・ジョブズと張り合えそうな気がする…。



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(元記事は2013年8月24日に書かれました・エントリー725)
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