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「髪結いの亭主」1990年フランス製作

この映画の髪結い・マチルドは女神。
ka1.jpg

そして髪結いの亭主・アントワーヌは女神と共に、神殿である理髪店で暮らす男。
ka2.png
それだけなのだ。

アントワーヌは幼い頃、最初の女神に会ってしまった。
理髪店のシェファー夫人だ。
k4.jpg
彼女の手で髪を整えられ、彼女の胸を盗み見、彼女の香りを味わい、女神に恋をした。
彼は結婚するなら髪結いの女と決心する。
 
そのアントワーヌもすでに中年のおっさんになっていた。
が、女神が降臨する。
マチルドである(脚)↓
k2-1.jpg

彼はマチルドに整髪してもらい、その場でプロポーズし、わずか3週間後に承諾される。
双方の家族が新郎の兄だけだったか。あとは常連客だけの結婚式。
ka5.jpg
幸せな二人。

かくして神話は始まった。
新婚旅行もそこそこに二人はマチルドの仕事場である理髪店に引きこもって暮らす。
そりゃあ、
女神のいる神殿でいつも女神の隣にいて女神を眺めていたいだろう。
ka6.jpg
k3.jpg
至福であるぞ、アントワーヌ。

しかも眺めるだけでない。
女神を愛撫し、女神と抱き合う。理髪店は官能の神殿でもあるのだ。
客が居ようがいまいが、関係ない。なぜなら、そこは神聖な場所だったから。

アントワーヌの最初の女神は、薬の飲み過ぎで突然死した。
k2.jpg

そこで観客はハタ!と気付く。
アントワーヌの女神はいつまで人の世にいられるだろうか。
古今東西にあるように
女神と人間のあいだには見えない別離の掟があるのだ。
それはマチルドにとっても避けて通れないものだ。
彼女は女神以外の何者にもなれない。
アントワーヌの子を孕んで母親に変身することもない。
何より人間の身では永遠の女神であり続けるのは難しい。
女神は去らねばならない。

ある夕立の日にマチルドは増水した川に身を投げて去る。

アントワーヌは神殿でただ一人待っている。
女神が戻ってくるのを待っているのだ。

現実のようでいて、現実にはなさそうな話であるところがミソな映画だった。
マチルドがとにかく現実離れした存在だ。過去の一切が謎だ。
アントワーヌのプロポーズを即諾するのは、まるで女神がそれを待っていたかのようにさえ見える。

そしてアントワーヌも現実離れした存在だ。子供の頃の恋がずっと続いている。
その恋に忠実だ。
彼の人生は女神に捧げられている。
それは虚しいものでなく、彼を支えているものだ。
神殿男は神殿の司祭でもある。彼は踊る。
Le mari de la coiffeuse. Jean Rochefort dances...


おそらく彼は女神を待ちながら、神殿で踊り続けるのだろう。
個人的にはたいへん好きな映画だ。


今回のプラスワン

小学生の数年間は山奥で暮らした。
理容店の一つくらいはあって
父親について行って漫画を読みふけるのが楽しみだった。
とうぜん少年漫画誌しかない。
そこで「富士山爆発!灰に埋まった東京タワー」とか
「トイレの歴史・紙のかわりに使っていたもの」とか
少女漫画誌ではけっしてお目にかかれない読み物に出会った。SF的な世界だった。

自転車免許を小学校が発行してくれると、自分で散髪に行かされた。
当時、地元にはたくさん理容店があった。
ほんわかしたおじいちゃんの店によく行ったが、ある日、妹がオソロシイ目にあった。
おじいちゃんはラジオで落語を聴くのが楽しみだったらしい。
だが、あまりに落語がおかしかったらしく、
仕上げの剃刀を持った手がふるふると震えている。
ずっと震えている。
妹は早く落語が終わるのを
心で冷や汗掻きながら待っていたそうだ。

子供が幼かった頃、たまたま寄った理容店で
連載中の「セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん」を読んでしまい、
爆笑するわけにもいかず
雑誌に突っ伏して肩を震わせたことがあった。不審な親を演じてしまった。

最近では夫の行きつけの理容店が腕がいいというので
末っ子を連れて行ったら
店主さんが某オミズ系タレントにそっくりで、喋り方もそのままだった。

理容店は何が待っているか分からない。あなどってはいけないのだ。

(元記事は2013年4月29日に書かれました・エントリー709)
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