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「王立宇宙軍 オネアミスの翼」1987年日本製作

長かった学生時代を終えて
バブル期にもかかわらず根底から就職に失敗していた時期、
浮草のように迷っていた時期に見た映画。

デリケートな映画だよね、これ。
製作スタッフがものすごく若いのだもの、平均年齢24歳、
感性が透き通るような一途さとやる気満々のオタク魂で満ちている。

世の中、綺麗事ばかりじゃねーよ、と言いつつ、綺麗事があってもいいじゃないか!と
有人人工衛星を打ち上げようとする地球ではない惑星の青年達。

私は大好きだ。
もし実写映画だったらクサすぎて見てなかっただろう。
アニメだから出来る技である。

王立宇宙軍 プロローグ


ああ、このプロローグを見た時の何とも複雑な気持ちを覚えている。
森本レオのモノローグ。
素晴らしいメカニック描写と構図。
「これは凄いものが見られるに違いない。」
「だが、しかし!成績が悪すぎて、宇宙軍に入ったということは、
主人公シロツグ・ラーダットよ、
君は努力しないタイプで、宇宙軍とはしょーもない職場なのか?」

フィルムへの高揚感と物語への不安感が一気に押し寄せる。
そして
坂本龍一のテーマ曲と大西信之のオープニングイラストがあまりに美しくて
いったんそれを忘れ、
さらにこれでもかと作り込まれた世界観でそれを忘れ、
少しずつ走り出す物語に我々も併走を始めるのだ。

いい映画だ。

物語は素朴で実直だといってもいい。
シロツグは単純だといってもいい。

そこがいい。

世界初の宇宙飛行士として注目を集めるようになっても、
政治や世間や国際情勢にまでちょっかい出されても、
彼や宇宙軍の仲間は人が変わったりしない。
相変わらずふざけてみたり、
ちょっと自虐的になってみたりする。
変わったのは、給料分の仕事だけしていた彼らのやる気であり、
変えたのはシロツグのちょっとした出会いであり、
相手が信心深い宣教少女リイクニだっただけのこと。

シロツグはリイクニを通して、見知らなかった社会の様相に触れ、見知らなかった自分を見出す。
それがわりと淡々と描かれる。
二人は全く違う世界の住人ゆえにすれ違う。それは喜びではない。
埋めたいが簡単に埋められるものでもない。
リイクニの世間からのズレ方も、また絶妙だったりする。
それでもシロツグはリイクニに会いに行く。

そこがいい。

異世界SFモノでありながら、立派な青春映画なのだ。

映像はたいへんな凝りようだ。
実にマニアックで、ガイナックスらしさが随所に現れる。
特にクライマックスのロケット発射&ロケット争奪戦は狂ったような凄さだ。
映像と効果音と音楽のシンクロは今見ても震える。

王立宇宙軍 (Royal Space Force) ロケット打ち上げシーン


物語は打ち上げ成功バンザイでは終わらない。
ここからが青臭さの真骨頂。
なんと人類の歴史をナレーションもセリフもなく、音楽と映像だけでカーーーーッッと見せる。
わざわざ、これをやるということが若さだ。
純粋バカ的な凄味が全編を貫いているのだ。

そこがいい。

映画は対立するモノを対立したままに描き、何の具体的な解決がないまま放り出し、
リイクニが夜の街で相変わらず布教活動をしているシーンで終わる。

それゆえか、共闘世代のあるアニメ業界人は苦言を呈している。
「僕達はがんばりましたっていうだけの映画で、何の結果も出てないラストはいただけない。」という主旨だ。
それは論点が違うのだ。
共闘世代は社会の不条理と闘うのだが、
高度成長期に育った人間は社会の不条理の中でどう生きるかを模索した。

社会と闘って負けた先代とは違う道を行くのは自然だ。

そして、物質的豊かさとモラトリアムの融合はオタクを産んだ。
彼らはそれまでになかった複合視野を持ち、論理と情報の共有を求めて、
凄まじい伝達と表現能力を発揮しはじめた。現在の「アニメ見るなら誰でもオタク」とはかなり違う。
濃い人達だ。
この映画はその道標のような映画だ。

青春の終わりを予感する人達へ、夏の最後の花火のようにあの声が響く。アンタバライ!


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今回のプラスワン

その頃に作ったコピー同人誌があって、1ページだけオネアミスのことが書いてある。
締めくくりの文はこうだ。

「いつまでも彼らのように揺れ動く魂でありたいと思った。」

ちくしょおおぉぉぉぉ~~~~~~!!!
青かったなぁぁ~~!
かえすがえすも青かった~~!
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