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「キャリー」1976年アメリカ製作

高校生の時に妹と映画館まで観に行って、おもしろかったけど、肝心のクライマックスで尻のすわりが悪かった映画だ。

キャリー役のシシー・スペイセク
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母親役のパイパー・ローリーの演技が凄い!
Carrie_05.jpg


この二人だけのシーンなんて心臓わしづかみの緊迫感だ!
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なのに
いじめっこ役ナンシー・アレンとジョン・トラボルタの軽すぎる悪役おちゃらけぶりで、
映像のトーンが盛り上がるのか盛り下がるのか、ハラハラもののバランス感覚。
これが監督の味なのかもしれないが、クライマックスで出るわ出るわ、デ・パルマ監督の総力を注いだ画面分割&グルグルカメラ効果!
「どうだ!キャリーの怒りが分かるだろ?分かりやすいだろ?これで分からん奴はいないよな?オレ、最高!」みたいなこっぱずかしさまで含んだド迫力。
こ、これがアメリカン…か…?アメリカンピーポゥなのか?
それともジャパニーズの私がおかしいのか?
というわけで、クライマックスシーンを妙に尻のすわりが悪い感覚で眺めるハメになった「キャリー」1976年版。

いやー、いろいろおもしろいが、本筋は哀れな女の子の話だ。

母親はかなり歪んだ狂信者で性に関するすべてを罪悪視、高校ではいじめっこの標的にされ、担任は面倒みつつも、持て余し気味。アメリカの田舎町で、実にしんどい毎日を送る日々。そんな彼女の秘められた超能力が怒りによって爆発炎上、学校と自らの家を血と炎で焼き尽くす。

しょっぱなから体育の授業でさっそく虐められるキャリー。
甘い旋律のタイトルロールは発育の良いアメリカンガールのシャワーシーン。
当時はぼかしが入りまくっていて、それでも衝撃のオープニング。
それはともかくシャワーを使うキャリーは突然の初潮にパニックを起こす。母親が何も教えてないからだ。
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クラスメートがまたひどい。生理用品をキャリーにぶつけて笑いものにする。
体育担当の女教師が、キャリーを哀れに思いつつもいじめっ子の気持ちも分かると言うのがうなずけるほど、シシー・スパイセクの演技がすごい。ぐいぐい引き込まれる。
それに輪をかけて母親が怖い。いっそ、キャリーと母親だけで、この映画OKかもしれん。

ところがドッコイ、ディアドッコイ。

青春映画のかほりがそれを許さない。なにしろ元祖学園ホラー映画だ。
キャリーいじめの罰として、放課後の体練に参加しなければ卒業パーティ(プロムってやつですね)に出さないと体育教師が頑張る。コメディタッチで描かれる体練シーン。
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「やってらんねえ!」とただ一人抜け出すいじめっ子ナンシー・アレン。
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田舎のビッチ女子高生がエロさ全開でボーイフレンド(トラボルタ)に「キャリーが憎い!憎いのよおおおお!」と仕返しをおねだりするシーンたら、まさに暴走青春の一コマ。
一方、いじめたクラスメートの中にも優しいスー(エイミー・アービング)がいて、ボーイフレンド(金髪巻き毛のウィリアム・カット)に「キャリーをプロムにエスコートしてあげて」と頼む。
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誘われたキャリーはためらいながらも、ドレスを自分で縫ったり母親に反抗したり(超能力で母を抑え込む)で、ちょっと応援したくなる。

そしてパーティ当日、いじめっ子たちの計略でプロムの女王に選ばれたキャリー、
騙されたとも気づかずに、まさに幸福の美しさが輝く。
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この時、計略に気づいたスーが止めようとするが、女教師がスーをいじめっ子と勘違いして会場から締め出してしまう。
ここの一連のシーンがずっとスローモーションで、監督の技巧たっぷりな盛り上げが続く。
舞台に上がった彼女に仕掛けられた罠は豚の血シャワーだった。
(以下の写真と動画はグロいのでご注意ください)


carrie_1.jpg

しかもバケツがウィリアム・カットの後頭部を直撃。いじめっ子の部下が囃し立てて会場はわけのわからない爆笑に包まれる。 
さあ!ここからがキャリーの見せ場だッ!…と思ったのですが、正確には監督の映像演出術オンパレードな見せ場!



「あああ、分かりやすい、分かりやすすぎる、あああ、あああ、説明過剰じゃないですか、ちょっと、ちょっと――――!!」

阿鼻叫喚のシーンが華やか(?)に繰り広げられ、夜道を血まみれで家路につくキャリーを襲うエロいバカップルも車もろともあっけなく炎上。なんだ、このさっぱり感。

〆はキャリーの真の見せ場、母親との包丁対決。
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このために先の派手な阿鼻叫喚があったのかと思うくらい、こちらは凄絶。
全くムードが違う。
そしてすべてが終わったと思いきや、スーの恐怖の夢オチシーンが観客のトドメを刺す。
ソフトフォーカスで静かに終わると見せかけて…。
でも、悲鳴を上げながら妹と私の方へ倒れかかってきた隣のカップルの方がよほど怖かったのですが…。


今回のプラスワン

冒頭のシャワーシーンを見ながら、「アメリカンは高校にシャワーがあるのか。しかもお湯!」と文化の違いを感じた16歳の春。
しかも「アメリカン、おっぱい大きい」と体格の違いを思い知った16歳の晩春。
演じている女優は高校生の年を過ぎているにしても、「アメリカン、でけえ」という認識はこの時に刷りこまれた。

そして、シャワーを使いながら、石鹸一個まるごとを体に滑らせて洗うキャリーの姿に驚いた妹と私!

そんな洗い方をするなんて、なんという贅沢(そこか!)
以来、妹はこのやり方を「キャリー洗い」と名付けた。

当時の妹は謎の言語能力を持ち、意味不明な命名を数多くした。
学生時代に二人で下宿をしていた時など、朝シャンが流行りはじめると彼女は冷水しかでない下宿の台所で冬の最中に髪を洗った。
毎朝、台所から気合いのこもった叫びが聴こえる。
「脳死ッッッ!!」
「アジスアベバッッッ!!!」
「スヤツッッ!」
他にもバリエーションがあったが、とにかく彼女は丈夫だった。冷水で洗った頭から湯気が立っていた。
家にシャワーが導入されると、さっそく「キャリー洗い」をしていた。
私が冷水シャワーでキャリー洗いを続けて夏バテになっても
彼女はぴんぴんしていた。
おそらく基礎代謝量に大差があるに違いない。
もちろん妹がはるか上位だ。
 
あれからずいぶん年を取った。
お肌も年相応に弱くなった。冬場は乾燥に悩まされている。
そこで役立っているのが「キャリー洗い」だ。
石鹸はかなり贅沢なアレッポ石鹸を使う。一個500円(税抜)。
シリアが戦乱になり、アレッポの町もひどい事になっている。
アレッポ石鹸は今も作られているだろうか。
明日あたり、いつものスーパーのいつもの場所にあるかどうか確かめたい。
もう夏場もキャリー洗いがラクになってきたのだ。


(末文ながら「キャリー」2013年版は未見です。) 
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