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「タイタニック」1997年公開アメリカ製作

1997年末から翌年にかけて、ワタクシは何をしていたでしょうか。
さっぱり記憶にございません。
日記の類さえ残せてない時期ですから、きっと猛烈に忙しく、かつ、混乱していたのでしょう。

おそらく毎日がこんな感じ↓(ただし、横にジャックがいない。あるいは、ジャックも忙しく混乱中)
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巷のニュースに「タイタニック、空前の大ヒット!」のテロップが流れても
「どうせ観に行けないもーん!」と
空前のネガティブ思考で覆って過ごし(こんな感じ↓)
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1998年の春先には「タイタニック、400万人動員、史上最多記録!いまだロングラン上映中!」のテロップに
今度は「それだけメジャーになった映画ならもう観なくていいもーん!」と、
史上最高に間違ったねじれ思考で
夏まで続いた上映を無視(こんな感じ↓)
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まことに大画面で観るべき映画を観そこなった悔しさを2000年の正月にレンタルビデオで味わいました。
ああ、この大迫力は映画館で観るべきだったと
32型ブラウン管の前で思い知るワタクシ…(こんな感じ↓)
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恐ろしいことに、レオ様(レオナルド・ディカプリオ)もプラピ(ブラッド・ピット)も
「それ、なに…?」と疑問に思いこそすれ、その正体を知らないエンタメ情報隔絶状態。
(ちなみに、ブラピに関しては「トロイ」をレンタルするまで動いているところを観ませんでした)

そんなところでいきなり「タイタニック」を観たものですから、案の定、叫びたいくらいハマった(これくらい↓)
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すごいよ、ジャックとローズ!
もう!ずっと!
ジャック!ローズ!
ジャック!ローズ!
ジャック!ローズ!
それでもってキャルは添え物(←ひどい)!

パニック要素もグランドホテル形式も揃ったうえで、身分違いの悲恋物語に酔わずにはいられません。
形式主義者の母と非道な婚約者キャルの籠の鳥だった令嬢ローズが
活き活きと放浪の人生を生きるジャックと出会い、
彼によって救われ一人立ちする過程が
タイタニック遭難事故の史実とあいまって
甘く切なくパワフルに展開する映画。
一応の展開を知っているのに、何度観てもおもしろいですね~。
TVつけたら、たまたま放映してて、そのままラストまで観てしまうくらい、おもしろい。

観るたびに発見があるように、飽きさせないように、仕掛けがたくさん張り巡らされています。
それらがジャックとローズの恋を邪魔しないどころか、
盛り上げるように配置してあるところがまたスゴイ!

先日、何度目かのタイタニック鑑賞会を一人で敢行したところ
以前から気になっていたカット↓
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一等乗客用の豪華照明の下に漂う若い女性は「ジャックに出会わなかったローズ」ではないかと思いました。

初めて観た時、なぜここでこのカットが入るのか、不思議に感じました。
確かにこの前のカットでは、神父さんが御国の来たらんことを自分と不運な乗客のために
説いていました。
ですから、安らかな死のイメージとして漂う女性のカットが入るのかと納得しても良かったのですが
ワタクシは、この女性がローズに見えて仕方がないのです。
死んで漂う女性は、もう一人のローズ。
自分を押し殺し、ジャックの手を振り払っていたら
狭苦しい上流社会に沈んでいったであろう彼女の心のようです。

また、このシーンの美しさは生命と若さと富の儚さでもあると思えます。
このカットの時、
ジャックとローズは沈没直前のタイタニックの最後部甲板に必死でよじ登っている最中。
ローズが生き延びるために恐怖と闘っていることと対比すると、
彼女の秘めた強さが浮かび上がる仕掛けではないでしょうか。

ああ、ジャックが沈んで一人になったローズが警笛を鳴らすシーンは一番ドキドキするなぁ。

これから先も観るたびにワクワクドキドキし、
小さな発見があるかと思うと、「タイタニック」を観る楽しみは尽きません。

ジェームズ・キャメロン&スタッフ、いと憎し(←古語的表現)!

主題曲、エ~ディ~オオォ~~ン(←違うってば)


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今回のプラスワン

長らくVHSビデオデッキを使ってきたためか、
DVDレコーダーを使わないまま、
一気にBDレコーダーへと移行してしまった我が家です。 

2000年お正月にはまだVHSビデオがレンタル店にありました。
「タイタニック」はビデオ2本組でした。
その頃から物凄い勢いでDVDが普及していて、
間もなく壊れたビデオデッキを買い替えた時には、DVDプレーヤー付きにしました↓
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それを約10年使ってからBDレコーダーに切り替えたのです。
しかし、10年たってもビデオデッキはまだまだ元気です。
今は古いビデオテープの記録をBDに移すのに役立っています。
なにしろDVDレコーダーがない分、ビデオテープに録ったものですから、結構な量があります。
バレエ関係、映画、小劇場ブームの時のお芝居など。

その中から残すものを選んでいる最中ですが、あれもこれもとは問屋がおろさず
厳選していくと、どうしても嗜好やときめき度が幅を利かせます。
そしてBDレコーダーに「ブリジット・ジョーンズの日記」ではなく
「プルガサリ~伝説の大怪獣~」を入れている自分に愕然とするのでありました…。
ああっ、この嗜好が憎いっ!
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「吸血のデアボリカ」1970年イタリア・スペイン・西ドイツ・イギリス合作

前回取り上げた「吸血処女イレーナ・鮮血のエクスタシー」の監督ジェス・フランコが文芸路線を貫いたマジメな一本です。
文芸をめざしすぎたのと、
監督本来のゆるゆる路線が合体して
ゴシックなムードが高まったかと思うと(手抜き演出で)急降下したりする、いわゆるB級ど真ん中。

しかし!そこが好きなんです!

原題「COUNT DRACULA」
Christopher Lee Jess Francos Count Dracula 02
吸血するたびに若返るというアンチエイジングなドラキュラ。

新聞の番組欄の深夜放送までチェックしていた高校時代、まだビデオデッキはなく、
寝坊ができる夏休み中は、怪奇映画特集を観まくりでした。

妹も一緒に見たらしく「デアボリカ」という言葉が忘れられないとか。
フランス語でDiabolique 「極悪非道な」とか「悪魔のような」とか、そんな言葉です。
(そう言えば「ジョジョ5部」のディアボロも同様か)

見て下さい↓クリストファー・リーの押さえた迫力で演じるドラキュラ伯爵!
ほとんど瞬きしないのです。

鏡に映らないのを不審に思う弁護士を無言で圧倒したあげく、無視。これはすごい。強引なドラキュラ伯爵です。

東欧の素朴な列車や趣のあるドラキュラの城
そこを訪ねる青年弁護士に向ける村人達の怖れと哀れみの眼差し、
蜘蛛の巣だらけの燭台、
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3人の女吸血鬼
狙われる美女
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伯爵を倒そうとするへルシング教授達に加えて重厚なテーマ曲、
定番はがっちり押さえています。
ヒロインの友人ルーシーが先に襲われ吸血鬼になり、
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木陰から少女を誘うシーンが高校生の頃にはエロくてたいへん印象的でした。
Soledad Miranda Jess Francos Count Dracula 02
ルーシー役のソリダット・ミランダはジェス・フランコ監督のミューズで、数多くの彼の映画に出演しましたが、
惜しくも1970年に事故で亡くなりました。

「ゴシックな吸血鬼映画を撮るぞ~~~」というジェス・フランコのやる気が伝わってくるフィルム。
なので、テンポは遅めなのが、また独特のB級ムード!
こういうゆるゆる系の映画はゆったり時間のある若いうちに味わっておくといいのではないでしょうか。
年寄りになると、何かと気ぜわしくなって「あ~、もういいわ」って、観なくなるんです。


今回のプラスワン

えー、吸血鬼の原型が「血を吸って赤黒く膨れたオッサンの死体」で、ロマンのかけらもなかったのに
なにゆえ「伯爵」にまで上りつめたのか。

1897年にイギリスの小説家ブラム・ストーカーが発表し
すぐにロンドンで舞台化された怪奇小説の古典「ドラキュラ」。
舞台上で犠牲者を襲ったドラキュラがすぐに姿を消したように見せるために
あの大きなマントが必要だったのです。
下水施設がなかった時代、糞尿を階上から道路に投げ捨てていた時代、
服を汚さないようにマントは紳士の必需品でした。
そのマントを大きな立て襟付きにして、舞台でドラキュラの必須アイテムにしたのです。
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ついでに、室内劇でしたから他家を訪問するという展開上、きちんと礼儀作法を身につけている必要があり
ドラキュラは紳士の仲間入りをするハメになりました。
なんということでしょう。
ロンドンの匠の手によって、赤黒い死体だった吸血鬼は変身をとげたのです。

ちなみに吸血鬼vampireの語源はセルビア語のvampirとする説が有名です。
ほかにもスラブ系言語説やギリシャ語説もあります。
ドラキュラはワラキアのヴラド3世のあだ名のドラクル(竜の息子・悪魔の意味もある) draculが元になっています。
ゆえにドラキュラは吸血鬼の中の一氏名で、吸血鬼全体を示す名ではありません。

ヴァンパイアを少しもじったバンパネラとは萩尾望都の漫画「ポーの一族」で使われた造語ですが
少女期にこれを読んでしまった人は吸血鬼=バンパネラの図式が定着しているケースがあり、
私などはまさにそのケースで
ハリウッド資本のモンスター的な吸血鬼映画に今一つ乗り切れないのは
そのせいかもしれません。

「吸血処女イレーナ・鮮血のエクスタシー」1973年スペイン・フランス合作

R18の世界へようこそ。(18歳未満の方は何年かお待ちください)

この映画はタイトルから「処」と「鮮血の」を消せば、より内容に近くなりますが、
監督ジェフ・フランコの耽美的な作風と
つけたしのようなストーリーを考えれば
あえて「処」と「鮮血」のイメージが見え隠れしてもいいか…などと、投げやりになりそうな映画です。

原題は「FEMALE VAMPIRE」

はっきり言ってポルノ映画なので、見所はそこに集中しています。
懐かし恐怖映画にカテゴライズしようかと思いましたが
全然怖くないどころか、エロス全開ゆえ、懐かしエロス映画カテゴリを新設です。



しょっぱなから、全裸!
女吸血鬼が霧の立ち込める林からカメラに寄ってきますが、
身に着けているのは黒いマントとロングブーツと太いベルトのみ!
ベルトの下方には黒い下着ならぬ黒い茂み!
とても写真が載せられない!(と、言いつつ載せる。これが限界だ。)
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主演のリナ・ロメイは監督の奥さんですが、
なんとも悩ましくも美しい肢体でございます↓
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衣装は常にシースルーのマントか、シースルーのワンピース、
謎のSMクラブに行く時も、バストがシースルーのドレス
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厚い下唇と誘う眼がたいへんよろしいです。
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監督はポルノを撮りながらも、エロスの美を追求しているのでしょう、
リナ・ロメイの完璧ともいえる裸身が映えるように、カメラを構えているようです。
あっぱれとしか言えません。
そのためか、だらだらな展開とあいまって、ポルノ映画なのに妙な癒され感があるといいますか、
リナ・ロメイの生々しくも魅惑の裸体と体当たり演技に見とれるといいますか、
個人的には、登場人物全員が頭の中はセックスのことしかないような「エマニエル夫人」よりもよほど好きです。

寝苦しい夏の夜や秋の夜長のお供に環境ビデオよろしく流しておきたいくらいですが
一人暮らしでもない限りやめておいた方が無難かも…。

一応、ストーリーらしきもの↓
リゾートの島に吸血鬼の血を引くと噂のある女伯爵イレーナ・カールスタインが来た。
彼女の霧深い山中の別荘周辺で、怪死が起こった。
作家(?)で観念主義者のラソニーは何かを感じ取り、イレーナに近づく。
その間にもイレーナはホテルの従業員の男やSMクラブの女主人から精力と血を奪ってしまう。
また、取材に来たジャーナリスト・アンナを吸血し、部下にしてしまう。
彼女は知り合ったラソニーに恋心を感じ、餌食にしないように愛し合うが
やはり死なせてしまう。
自分の運命を呪いつつ、イレーナは今日も霧の中を彷徨う。

(話に整合性を期待しないように。セリフは少ないです。台本ないのかと思うくらいです。
おまけにイレーナは喋れないという設定で、本当に一言も喋りません。)

サービス・血のお風呂を楽しむイレーナちゃん↓
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吸血鬼なるものを初めて知ったのはいつ頃だったでしょうか。
たぶん小学生前半…、
わたなべまさこ女史の漫画か少年漫画雑誌か怪奇大作戦だったと思います。
子供心に大きな足跡を残す怪奇の存在…
中でも吸血鬼は見た目がほぼ人間なのにバケモノであり、
どこかエロティックなイメージを含んでいて
想像するのも楽しくて、ずっと異界の友人でもありました。

この映画のように、吸血とエロスの合体も必然であったのでしょう。
すでにハマー・フィルムのドラキュラものでは
吸血される女性がエクスタシーに陶然となるのが決まり事になっていましたので、
それを加速させれば、吸血ポルノが出現するわけです。

映画の吸血鬼はドラキュラ伯爵のように、高貴とロマン属性を身に着けていますが、
もともとの起源はどこにあるのか、わりと最近になって読み漁り、調べてみました。
結論から言いますと

ガーン!
「東欧スラブ系農民の死体が夜中に歩き回って、身内の血を吸い、ぶくぶくに赤黒く膨れたオッサンの姿の妖怪」
しくしく(忍び泣く)…現実ってこんなものですね。

それがいかにして高貴とロマン属性のバケモノになったのかは次回で!

「オーメン2/ダミアン」1978年アメリカ製作

前回「オーメン」の続編でございます。

ダ~ミア~ン!(叫ぶ)

シリーズ物の第2作がたいがいエンタメ色を濃くするのは宿命みたいなものですが、
ダミアンがいよいよ自らの宿命に目覚めるのが本作です。
財閥一族の子供として
エリート養成のステータスシンボル、陸軍幼年学校の生徒として過ごす毎日に
悪魔の眷属(一目瞭然の邪悪ヅラ↓)が強力な味方となって現れ
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彼に悪魔の化身たれと自覚を促すのです。

ダミアン役のジョナサン・スコット・テイラーの演技が破格に素晴らしい。
時おり滲む孤児の陰や
自分に秘められた力を予感して不安を覚える少年らしさ、
正体を知ってからの苦悩、湖に向かって「なぜ僕なんだ!Why me!」と叫ぶシーン
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特に従兄のマークを味方にしようとして拒絶されるシーン
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邪魔者は容赦なく葬り去るべく冷たい眼差しを向けるラスト近く…。
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その変貌には青春映画の香りも味わえます。
彼なくして「オーメン2」は成り立たなかったでしょう!

見 よ ! 美 少 年 !
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制 服 の 美 少 年 !(後列は除く)
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苦 悩 す る 美 少 年 !
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従兄のマークが悪魔の眷属にならなければ殺すしかない
仲間になれと懇願するダミアン

この映画にはそうそうたる俳優が出演しています。
ダミアンの叔父・ソーン財閥会長にウィリアム・ホールデン、
その妻にリー・グラント、
ダミアンの正体をなんとなく知っている伯母にシルビア・シドニー、
考古学者ブーゲンハーゲンにレオ・マッカーンなど。

彼らの中にあって、堂々たるダミアンぶり(?)を演じ切ったジョナサンに魅了された人は多かったと思います。

テーマ曲は前作から引き続きジェリー・ゴールドスミス。
ブーゲンハーゲンが中近東の海岸を疾走するシーンに合わせてサスペンスフル↓


第2作がエンタメ色の部分は美しいシカゴと近辺の自然、そして次々と犠牲者が出るあたりですね。
今でいう、「死亡フラグ」の立ち方がよく分かります。もう危ないと思ったら、必ず死にます。
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最初は死ぬまでに15~20分の余裕があったのに
後半はフラグ立つとあっという間で、ちょっと死にすぎかもしれません。

しかし、ダミアンの血が山犬って…。
医療機関のお世話になるたびに医者を殺すのかなって思いましたが、
悪魔の眷属の医者が現れて、彼の医療面を支えるのでしょう。
もしくは悪魔の化身ですから、病気やケガにも強くて大丈夫!とか…。

そうそう、第3作「オーメン/最後の闘争」は見ていません。
ダミアンがすっかり小者のおじさんオーラしか出てなかったので。
悪魔のくせに地道に狙うのが大統領って、せこいわ。
さっさと基地の一つでも乗っ取って核ミサイル打ちまくるとか
生物兵器を手にして悪の組織を立ち上げればおもしろかったのにね~。

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せっかく悪魔の子が覚醒する話なので、真逆の神の子の漫画も置いておこう・・・

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ジョナサン・スコット・テイラーファンは今も多数いるようで、Jonathan Scott-Taylorで検索!
画像も動画もわんさか出てきます。
イギリスBBCのドラマ、ドアルド・ダール(「チョコレート工場の秘密」の著者です)劇場「予期せぬ出来事」↓
ちょっと成長していますね。
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映画は本作とあと一本の出演、あとイギリスのTV映画に数本だけなのに
心を鷲掴みにされた人がネットの時代に黙っているわけがなく
英語のファンサイトがあちこちにあります。

ご本人のfacebookにたどり着いた時はびっくりしました、ほんと。
でも、これという記事はなくて、俳優と弁護士をしているのだけ分かりました。
たぶん余計なことを書きこむと、往年のファンが飛びつくのでしょうね。

たいへんだなぁ…。

「オーメン」1976年アメリカ製作

えー、2006年に(激しく劣化した)リメイクをされた(失礼!)オカルト映画です。

新約聖書のヨハネの黙示録によると
「ここに知恵が必要である。思慮のある者は、獣の数字を解くがよい。
その数字とは、人間をさすものである。そして、その数字は666である」(13章18節)

アメリカ人外交官ソーンは、ローマの病院で死産した我が子の代わりに
6月6日午前6時に誕生し、頭に「666」のアザを持つ赤子を養子にしてダミアンと名付けます。
彼が5歳になって周囲で異変が起こり、
やがて彼が悪魔の子と知った者が彼を抹殺しようとする話です。

が、国民の大半が無宗教、ないしはアミニズムの国・日本。
どこがどう怖いのか、あまりピンと来なかったのは仕方ない。

ヨハネ黙示録をどう解釈したら、666=悪魔になるのか、よく分からないし、
今や「悪魔?いるの?マジィ~?」って国民だからね。
ただ、この島国の国民が「オーメンと言えば666」と、条件反射するようになったのは、映画の功績。
それくらい流行りました。

ショッキング惨死シーンはちょっと猟奇的で一瞬ビクッとしますが
それより怖かったのは真夜中にお墓を暴くと、山犬と赤子の骨が出てくるシーンでした。
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それとダミアンの乳母であり、悪魔側の人、ベイロック夫人ですね↓
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居るだけで怖い。

家族を愛する外交官ソーン・パパ(グレゴリー・ペック)や
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神経質で体の弱いママ(リー・レミック)では
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太刀打ちできそうにないですね。
それに現代社会だけあって、パパもママも熱心な信仰の人でない!
悪魔は人間の泣きどころを突くのが上手いようです。

テーマ曲は相当に怖いですね、一度聞くと耳から離れません↓
さすがジェリー・ゴールドスミス作曲。
The Omen Music Video (Jerry Goldsmith)


舞台のほとんどがアメリカ本土じゃなくて
外交官パパの赴任先であるローマやイギリスというのがミソかもしれません。

アメリカは移民の国です。
アメリカ人のルーツをたどれば、白人(とりわけ政治経済の中枢にいる人達)は必ずヨーロッパにご先祖があるわけです。
とりわけキリスト教の一大勢力のカトリックの総本山は、
ローマの中の独立国バチカン市国で、
つい先日は根競べして初の南米出身法王を選出していたところです。
そのお膝元で悪魔の子が誕生しているのですから、
悪魔側もどこに潜んでいるか、分かったものではありません。

ラストシーンでダミアンが振り返ってニヤぁ~と微笑みますが、
キリスト教圏の方々が一番怖かったのは、そのシーンだそうです。
「両親の葬儀の場には大統領も来ていた。
ダミアンの手を引くのは彼かも知れない。
つまり、成長したダミアンが国家の中枢にいる可能性を暗示したラストだから」なる解説が
映画雑誌に載ってて
宗教的背景の違いに愕然としました。

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根競べならぬコンクラーヴェ。
ラテン語で「鍵がかかった」という意味だそうで、
最近のワイドショーはハイレベルなことを教えてくれますね。

フランス・ドイツ共同制作のTVドラマ「ボルジア 欲望の系譜」(2011年・R15指定)でも
ボルジア家のロドリーゴが法王アレクサンデル6世に
選出されるまでのコンクラーヴェが
延々と描かれていて
たいへん興味深かったです。

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選出会場&枢機卿宿舎への廊下をレンガとモルタルで塞いでしまって
本当に出入り不可能にしていました。
(小さな窓から飲食物を差し入れできますが)
そして枢機卿同士で買収と脅しと駆け引きと投票の繰り返し。
途中で高齢の枢機卿が「家に帰してくれ~」と根を上げる始末です。

ロドリーゴ・ボルジアは卑怯にも小さな鏡を使って、光の反射で合図して外部と連絡を取ったり
一番くつろぐ場所=トイレで買収を持ちかけたり
はたまた食物の差し入れをしたり
とことん腹黒いオヤジに描かれていましたが、
子供達がオヤジに負けないくらいやりたい放題なのがボルジアのイメージにぴったりで、おもしろいドラマでした。

「ピクニックatハンギングロック」1975年オーストラリア製作

30年前、映画の予告編100本を流すだけの深夜番組があった。
それを妹と見ながら、
二人で「これは観たい!」と意見が一致したのが「ピクニックatハンギングロック」だった。
icnic at Hanging Rock (1975) - Official


数年後、レンタルして意気込んで観たのだが、
ラストまで観て「予告編のうそつき!」と、二人して怒った。
予告編は見事にミステリー映画に仕立て上げていたが、本編はミステリー風味のお耽美映画だった。
この落差は大きい。

舞台は1900年のオーストラリア、
経済的・文化的爛熟期を過ぎようとしていたイギリスの一部で、翌1901年にはイギリスから独立する。
富裕層の寄宿制女学校には、ヴィクトリア朝末期の香りが漂う。

コルセットを締めあう少女達。
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彼女達の洗面器にはバラの花束が浮かべられ、
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学校の庭には白い孔雀。
ガラスの温室に、瀟洒な小物の数々。
その中に、教師や生徒達の女同士の愛憎が見え隠れする。
これがサスペンス主軸ならば、メリハリの効いた展開になるはずだが、そうはならない。
カメラはひたすら少女達の
どこかけだるく
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どこか儚く
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どこか現実を突き刺し、突き放すような言葉を、ソフトフォーカス気味に追う。
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聖バレンタインの日にピクニックに行ったハンギングロックで3人の少女が忽然と姿を消した。
そのうち1人は発見されるが、
なぜ行方不明事件が起こり、なぜ彼女が生還したかはまったく語られない。
代わりに
英国少年がスリリングな一人捜索をして狂乱寸前になったり
女生徒たちの集団ヒステリーや
町の住人の怒りと困惑が唐突に描かれたり
退学勧告を受けた少女が温室で死んでいたり
事件をきっかけに女学校は確実に崩壊していく。

肝心の行方不明の原因は観客の推測に任されてしまった。
ようするに「謎の丸投げ」
これに当時の妹と私は怒ったのです。
ミステリーを期待してはいけない映画に期待してはいけなかったのです。

しかし、お耽美映画を楽しむのダッ!と方向性を転換すれば
ミランダを演じたアン・ルイーズ・ランバートの美しさにうっとりしたり
ヴィクトリア時代の衣装を観賞したり
ソフトフォーカスなオーストラリアの自然を堪能したり
謎かけのようなセリフに酔ったり

なにより、雑事を離れ、けだるいムードにどっぷり浸れること間違いなし。
そばにミルクティーとクッキー、
あるいはワインかブランデーがあれば言うことはない…と思う。
(間違っても芋焼酎やお煎餅ではない)

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生まれて初めてミルクティーなる飲み物をいただいたのは
小学5年、友人の誕生祝いの席だった。

友人の父は国際航路の船長を務めていて
日本に寄港する時は
彼女は家族そろって長崎でも横浜でも神戸でも学校を休んで会いに行った。

それでミルクティーというハイカラな飲み物を用意してくれたのかな、と思った。
濃い目の紅茶の味はたいへん美味しかった。
家で作りたかったが、
台所は祖母の管轄で
砂糖の一匙を勝手に使えるような雰囲気でなく、
第一、うちには紅茶を買う習慣も考えもなかった。

数年して缶入り紅茶をいただいたものの、淹れ方がなってなかった。
家族で美味しい淹れ方を知る者はおらず
宝の持ち腐れになった。
私は不味い紅茶を飲むたびになぜか具合が悪くなった。
それで、家族はますます紅茶を毛嫌いした。
うまく淹れられるようになったのは、学生時代になってからだった。

あれから40年、今は紅茶にすりおろした生姜と蜂蜜を入れるのが定番だけど
たまに濃いミルクティーを飲みたくなるのは
やはり友人宅で味わったあの一杯が忘れられないからだと思う。

「愛と哀しみのボレロ」1981年公開フランス製作

原題「Les Uns et les Autres」
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映画はこの言葉から始まる。
「人生には二つか三つの物語しかない。しかしそれは幾度も繰り返される。
その度ごとに初めてのような残酷さで」ウィラ・キャザー

映画館の椅子に座って、私は思った。
「人生に二つか三つの物語しかないなんて、寂しいものじゃないか。」
若すぎて欲張りな子供だったので、そう思うのは当然だった。
もちろん深い意味など分かってない。

今はなんとなく分かる。
キャザーのいう「物語」とは
「生まれながらの気質や意思決定のパターンが、人生のある場面で不幸を呼ぶ時に発揮されるさま」と思える。
だから、二つか三つで十分だ。これが10もあったら不幸の連続だ。
幸いなことに私のパターンははっきりしている。
「肩に力を入れて、無駄に頑張りすぎる。」
「自ら助けを求められない。」
「他者との境界線が分からない(他者を他者と認識できない)ので、人づきあいが疲れるため、人を怖れる。」

で、キャザーの言葉が映画のどこに通じているのか。
それがよく分からない。あと10年くらいしたら分かるかも知れない。

CMの踊るジョルジュ・ドンの凄さに騙されて観に行った。
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故人になってしまったドンの「超絶オーラと超絶アントルシャ・シス!超絶ジュテ!汗!」映像にたっぷり浸れます↓


映画は長かった…。
バレエシーンになると目が覚めるが、映画の後半はもう少しで寝てしまうところだった。
監督クロード・ルルーシュは、音楽に乗せて現代史を洪水のように流す。
内容は、1930~60年代、パリ・ベルリン・モスクワ・ニューヨークの音楽に携わる4つの家族を中心にした欧米現代史。

最初は登場人物もよく分かる。
ロシアのバレリーナのカップル(後に男児セルゲイを残して夫は戦死)

パリのピアノとバイオリン奏者の夫婦
(ナチスのユダヤ絶滅政策で夫が死亡、妻は生還するも、逃がした男児は行方不明になり、探すうちに精神を病む)
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ドイツのクラシック指揮者夫婦(夫はナチス協力者として非難され、妻は爆撃を生き残るが子供が死亡)
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アメリカのジャズ演奏夫婦(妻は自動車事故死)
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など、あちこち飛びながらも、まだ分かりやすい。

ところが、時が進んで彼らの子供世代になると、
俳優の一人二役のためと登場人物多すぎて、話が込み入ってくる。
ドイツの指揮者がパリで愛人にした女性↓はフランス国の裏切り者と罵られ、
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田舎で女児を残して自殺。

成長した女がパリに出てくる年がアルジェリア独立戦争が終わった1962年だ。
この辺で一気に眠気が襲う。
アルジェリアがどこの国から独立したって?フランスです。
フランスは1954年から長い戦争を続けていましたが、第2次大戦で荒れ果てた欧州の状況と東西冷戦の激化で、
ついにアルジェリア独立を認めました。
100年以上の間、文化的にもフランスの一部であった国土を失い、痛手を負い、気分は負け犬です。
上の4行をそれほど知らないまま観たので、
映像に漂うやるせさに関してもちんぷんかんぷんでした。

そして、謎のジャズダンスシーン↓(炎上する車や救急車が走るスタジオで踊りまくる)があったりして、この辺は欧州テイストが全く理解できず、頭はすっかり混乱する。
「文化がちが~う!」


そして4つの家族とその周辺の人々が集い始める。
音楽はミッシェル・ルグランとフランシス・レイ担当だけあって、音楽だけで酔わせるシーンもある。
「世の終わりの香り」↓
Les uns et les autres - Un parfum de fin du monde

キリスト教圏で「世の終わり」というと、終末論だろうけど、
いまいちピンと来ない…。やはり「文化がちが~う!」

やっとラストの有名なベジャール振付けの「ボレロ」のシーン↓
(若干一名眠っている観客が印象的)


それで、どうなったの?と言えないところがこの映画。

終わりがないも同然!で、終わる

人に歴史と美と音楽あり、セーヌ川の橋を渡る赤十字のトラックの先に道は続き、川は流れる。
そんな感じ。
人の世を俯瞰する眺めだ。(それで、キャザーの言葉の「人生」と繋がるのかな。まだ分からない。)

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さすがデュトワ、なんと繊細で素晴らしい音

今回のプラスワン

レコード店と私

昭和50年代後半(1980年代前半)は田舎町にもレコードを売っている店が2~3件あった。
アイドル御三家時代のあとだけに歌謡曲はよく売れていた。
だが、映画音楽となると、川を越えて国鉄(JRのこと)の駅前の店まで行った。
しかし、店主が映画に疎いと
「ブレードランナー」のオリジナルスコア盤を注文して
「炎のランナー」のサントラ盤が届いたりするのだった。
確かにどちらも作曲者はヴァンゲリスだけど…。

学生時代は徳島駅前の数店によく寄った(常に金欠で、あまり買えなかった)。
この映画のサントラ盤はなんとか買った。
映画のビデオかレーザーディスクが発売される頃、その話を店主としたら、
「あなたはこの手の映画が好きでしょ。」と言われて
なんとなくタイプを決めつけられたような妙な気分になった。
その後、その店からは足が遠のいた。
キャザーの言葉の何かが発動したのだった。

それから平成になり、平成もかなり経ってから駅前も様変わりし、店も入れ替わり、
ある日クラシックCDを求めて、半間間口のマニアックな店に入ってみた。
うわー。
「あなたはこの手の映画が好きでしょ。」店主がいた。
私もすっかり様変わりしていたので、飄々とCDを選び、買って店を出た。

そこで買ったのは「ラベック姉妹ピアノ連弾集」
 
店主は今もマニアックなクラシックCD店を死守しているだろうか。

「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」2011年米・英・仏・独合作

前回「王妃マルゴ」だったので
今回は何もかもが対極にある「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」をば。
「王妃マルゴ」が16世紀後半が舞台のシリアス愛憎歴史映画なら
こちらは17世紀前半が舞台のエンタメ活劇映画です。
共通点はたった一つ、
どちらもアレクサンドル・デュマ(父親の方ね)の小説というところ。

監督がバイオハザードシリーズの人と聞いたけど
ゲームしないし、観てないし、で、前情報はTVCMだけで観に行きました。

CMのエンタメ路線丸出しダルタニアン火花↓に噴いた
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疲れているときには、何も考えなくて、画面が華やかで 適度にドンパチかアクションがあって、
勧善懲悪話がもってこいですね。
その点、この映画はちょうど良かったです。
コスチューム・プレイということもあって、アクション&ドンパチが抑え気味で、どぎつくなくて、年寄りにはナイス!
何といっても画面の色調が明るい。
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最近BDをレンタルしてTVで見ても(いや、TVだからか?)たいへん目がラクでした。

過去に「三銃士」映画は何本か観ているので、話もラクに乗れて、歴史映画好きの年寄りにはお得!
 
ベネチアのシーンはCG使い過ぎだよなぁと思いつつ
(実際CGの部分は映像的に味がなくて、あまりおもしろくないのです。)
まぁ、娯楽映画だから大らかな気持ちになっていくのも、年寄りの得意技!

飛行船の動力源やガスの成分については一切突っ込まない方向で臨みます。
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この荒唐無稽さの責任はすべてダ・ヴィンチに押し付けておく。年寄りはこじつけも難なくやれる!

俳優陣がいいですね。
多数の英国俳優の中にアメリカンとドイツ、デンマークから出演していて、ほのかに多国籍の香りがなんともいい。
特にリシュリュー枢機卿のクリストフ・ヴァルツが良すぎる。
そして、バッキンガム公爵のオーランド・ブルームが楽しそうです。
この映画の中で、彼が一番楽しそう。
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悪役の醍醐味を味わっているのが伝わってきます。
悪役に肩入れするは年寄りにとっても醍醐味!
 
クライマックスはやはり剣戟で〆るのが、お約束。
これはもはや「三銃士」映画の伝統。
伝統は大切にしつつ、新しい味付けするのが革新。
どこまで荒唐無稽と歴史の整合を絶妙のバランスでやってくれるかのぅ、コンスタン・フィルム~!




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「三銃士」はアメリカンにとって映画にしやすい題材とみえて

1921年監督フレッド・ニブロ、アメリカ製作(無声映画なので、ご自由にセリフをつけて下さい)


1948年監督ジョージ・シドニー、アメリカ製作
The Three Musketeers (1948) - Trailer


1973年監督リチャード・レスター、アメリカ製作
The Three Musketeers -- trailer

続編「四銃士」「新・三銃士」もあるよ。

1993年監督スティーブン・ヘレク、アメリカ・ディズニー実写映画
Three Musketeers - Trailer


そして、やっとフランスで映画化されたと思ったら
ダルタニアンの娘がヒーローを務めるという変化球でした。
三銃士とダルタニアンは老骨に鞭打ってがんばりマス↓
1994年監督ベルトラン・タヴェルニエ、「ソフィー・マルソーの三銃士」フランス映画
Trailer La fille de d'Artagnan


ところで、ルーベンスが描いたバッキンガム公爵ジョージ・ヴィリアーズ肖像画
200px-GeorgeVilliers.jpg
オーランド・ブルームによく似てると思いませんか。

「王妃マルゴ」1994年フランス制作

イギリスではチューダー朝最後の女王エリザベス一世がゴールデンエイジだった頃
日本では豊臣秀吉が天下統一してゴールデン茶室だった頃

フランスでは国内の宗教対立(カトリック対プロテスタント)をどうにかしたかったのです。
当時の感覚では、カトリックとプロテスタントは別の宗教だったといってもいいくらいです。
そこで、ヴァロア王朝の王妹マルゴ(カトリック代表)と
フランスの地方王国ナヴァールの王アンリ・ド・ブルボン(プロテスタント代表)の政略結婚↓に踏み切るわけです。
la reine margot

地元フランスでは有名な話で、
日本なら信長&秀吉&家康のエピソード群に当たります。
フランスで今も人気のある王さまといえば、アンリ4世こと、アンリ・ド・ブルボン。
「良王アンリ」「大アンリ」と呼ばれています。
宗教内乱で疲弊した国を立て直すため、たいへん頑張った人です。
ゆえに錯綜する人間関係と陰謀術数の多さをメモして頭に入れておけば、
フランス人同様に「おおー、これよ、これ!」と
慣れ親しんだ物語のように楽しめますが、日本では「ベルばら」ほど知られてない。
「マルグリット・ド・ヴァロワ 結婚 ノートルダム寺院」のネット検索で、けっこう解説サイトが出てきます。 

アレクサンドル・デュマの小説を元にした「王妃マルゴ」は画面の80%が薄暗さと赤い血で覆われた歴史映画。

映画館なら大丈夫だけど、TVで観るにはちょっとツライ暗さです。こんな感じ↓
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16世紀後半のパリには、ルーブル宮殿とチュイルリー宮殿の原型も完成したノートルダム寺院もありましたが、
光源は太陽とロウソクとタイマツだけ。
街路は狭く不衛生で、映画は路上に糞尿そこありませんが、そのムードがむんむんとしているわけで、
「三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」の対極にある暗さです。
それくらい真剣に歴史映画となっています。
(ちなみに三銃士のルイ13世はアンリ4世の息子)

陽光の下でも画面はどこか暗め。マルゴは中央の黒髪の美女↓
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その美しさはマルゴが政治的に翻弄される王女の立場ゆえに、
せめて夫(愛情はないけど友情はある)の命や恋人ラ・モールの命を守り、病弱な兄王シャルル9世の支えになろうと
身を張っている姿にぴったりです。
しかし、それ以上に男を惑わす妖婦の美しさですね。
イザベル・アジャーニ演じるマルゴだけはたいへん色が白くて暗い画面の中でくっきり映えます。
終盤で彼女は結婚時までに兄弟達によって近親相姦になったと分かります。
(弟が「姉上が産まず女で良かった」と衝撃発言!)
初夜を恋人ギーズ公アンリと過ごそうとしたけど振られたので、
パリの路上で追剥ぎに合っていたラ・モールと行きずり情事で燃え上がるほど、淫蕩な女。
(ラ・モール伯爵とココナス伯爵は実在の人ですが、アレクサンドル・デュマの創作も入っているようです)
それは孤独のなせる業なのか、もともと淫蕩なのか、
王女の身分に反抗しているのか。

さて、ノートルダム寺院での結婚式は当時の美術が再現されており、たいへん荘厳です。
結婚の宣誓にマルゴが「ウィ」と返事をしないので、

後ろから兄シャルルが突進して妹の首を押さえつけるという無理やりさ。
披露宴がすでに殺気に満ちていて、命の危険を感じたアンリ・ド・ブルボンは、
嫁のマルゴに味方になってくれと頼み、
彼女もさすがにそれは承諾します。
ギーズ公アンリとの恋路を断ち切った母カトリーヌ・ド・メディチや王権そのものへの反抗心でもあるようです。
カトリーヌを演じるヴィルナ・リージの異様な迫力。彼女の怪演で映画の陰惨さに磨きがかかっています↓
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結婚式の数日後、サンバルテルミーの虐殺事件が起こります。
宗教対立が収まるどころか、マルゴの兄王シャルル9世のひ弱さが引き金になり、
カトリックによるプロテスタント殺しが延々と続きます。
結婚を祝うためにパリに集まった数千人のプロテスタントの累々たる死体…。
王宮も宿も街路も、血と死体で埋まり、なんだか画面から死臭が漂いそうなほど悲惨なシーンの数々。
「これ、映画だから」と平気でいられるようなレベルを越えています。
汚し方の迫力がすごすぎる。
死体だらけの中庭で死闘するラ・モールとココナス↓これはまだ綺麗な方ですね
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政略結婚だったとはいえ、自分の結婚を祝った人々が殺され、
マルゴはますます母や兄弟との溝を深くし、ラ・モールとの逢瀬を重ねます。
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「何者でもないあなたを愛する」と言った彼といる時だけ、
マルゴは王妃でも王女でもない女になれるのでした。

アレクサンドル・デュマの凄いところは、ラ・モールが質入れした本がシャルル9世暗殺犯のものにされ、
彼が処刑される原因になるという虚構を作り上げた点ですね。
追剥ぎにあった彼に、たった一つ残った本を拾って手渡すのはマルゴでしたから、
ちゃんと「男を破滅させる女」の役割も果たさせているわけです。

最後にマルゴはラ・モールの首を血まみれドレスに抱いて、ナヴァールにいる夫の元へ旅立ちます。
これはサロメのイメージを被せているシーンです。

ここだけ朝日の淡い陽が射します。
美貌も才智もありながら、男を破滅させるマルゴの薄幸を表すかのような光。
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何度か見直して、やっと隅々まで堪能できるようになりました。



そういえば、新郎アンリの愛人役でアーシア・アルジェントが出演していたなぁ。
「サスぺリア」の監督ダリオ・アンジェントの娘。
彼女はソフィア・コッポラの「マリー・アントワネット」でデュ・バリー夫人を演じてたなぁ。
「王妃マルゴ」では毒殺された上に窓から投げ捨てられて、哀れだった。

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↑フランソワ・バイルー「アンリ4世」はなかなか読みごたえあります。時系列がばらけた書き方で、そこはフランスっぽい(?)
一方、萩尾望都「王妃マルゴ」は、複雑な政治&人物背景をまとめ上げた漫画ならではの描写がすごい。マルゴの思春期がすごく気になります。

今回のプラスワン

物心ついた頃から、純和風の古い我が家のとある柱に華奢なアイアン製手紙入れがかかっていて、
それには凱旋門の絵が付いていたのでした。
その絵はさらっと描かれた小さなものでしたが、空に雲がうねり、ちょっと不思議なムードでした。
凱旋門が何のための建築物か知らなかったけど、
子供心に「フランスのパリにはこういう不思議なものがある」ことだけはしっかり刻まれたのでした。

小学生を卒業するまでの半年間は「ベルサイユのばら」にハマりました。
学校の図書室で本を漁ってみるけど、40年も前の田舎の木造小学校、
フランス革命に関する本などない。
中学も同様で、歴史の断片をかじるだけの3年間でした。
 
高校で世界史を選択したことで、バラバラだった断片がようやくつながり始めました。
きっと歴史好きに生まれたのでしょう。
私の場合、つながった断片は次の断片を生むことになるのです。

今も断片がつながる瞬間を求めて「北の十字軍」や「アンリ4世 自由を求めた王」を
ネットでポチリと買ってしまいます。
(つい先日も町の図書館で佐藤賢一「黒王妃」を見つけて速攻読み…)

「美女ありき」1941年イギリス製作

芳賀書房のシネアルバム「ヴィヴィアン・リー」は私の宝物でした。
お年玉をかき集めて買ったそれには、彼女の出演作が全部載っていました。
TV録りを狙っていた中の一本がこれです。原題はThat Hamilton Woman, Lady Hamilton。

フランスの港町カレーでワイン万引きの罪で逮捕された女↓
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これがヴィヴィアン・リーですかっ。うそやぁ~。
しかし、万引き女が語る人生はまさに美女ならではの物語だったというわけで、この落差効果はすごいわ。

だって「私の人生は18歳で花開いた」と語る、その18歳がこれ↓
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うそやぁ~。この美女がどうやったら万引き女になるのや~。
そんな訳で、観ずにはいられない構成になっているのですね。

エマ・ハート18歳、田舎出の小娘ながら美貌と才知があり、
ダンスの名手や画家のモデル(マリー・アントワネットの肖像画家として有名なビジェ・ルブランも描いている)、
貴族の愛人としてロンドンで知られるようになった彼女は、結婚を約束したグレヴィルによって、
彼の伯父、ハミルトン公爵に5000ポンドで売られてしまう。
何も知らずにハミルトン公爵(外交官としてナポリに赴任中)の所へ来たエマは公爵から真相を告げられ泣き崩れる。

はっきり言って人身売買ですね。しかし、5000ポンドといったら超大金。
エマはそれだけの価値があったというわけです。
すでにグレヴィルから貴婦人として教育されていた上に、公爵は語学・音楽・ダンスなど専門教師をつけて再教育。
公爵とエマは結婚し、愛人から妻になります。
こうしてレディ・ハミルトンになったエマ、外交官夫人としてナポリの宮廷にも出入りし、王妃と友人になります。

ただ美しいだけでなく、才智を伸ばして周囲の人々を喜ばせ、時には遊び好きで奔放な一面を垣間見せるエマ。
成り上がり話に見えなくもないけど、彼女の愛らしさの前ではどうでもよくなります。

そこに登場するのがイギリス海軍提督ネルソンです。
「英国は各員がその義務を尽くすことを期待する」の名文句(実際は信号旗で示された)を残し、
1805年のトラファルガー海戦(対フランス・スペイン連合艦隊との戦い)で亡くなった人です。

1793年、彼はナポリに寄港し、革命真っ最中のフランスのトゥーロン攻撃のための援軍を要請。
らちのあきそうにないナポリ宮廷から、エマは速攻でOKを取り付けます。
これは外交官夫人としての機転でしたが、ネルソンとの馴初めでもあります。

このネルソン役が、ヴィヴィアン・リーの夫、ロレンス・オリヴィエ。
二人ともそれぞれ配偶者があった時期に出会っていて、いわゆる不倫だったわけで、
この映画の製作期には、やっと結婚できたものですから、
同じく不倫関係だったエマとネルソンを阿吽の呼吸で演じています。
この映画でのヴィヴィアンの美しさ、オリヴィエの貫録が尋常でないのも、うなずけます。

尋常でない二人↓
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その後は定番の不倫ドラマをあっさり流しています。
本妻との軋轢、社会からの非難と好奇のまなざし。
脚本はイギリスに戻ったエマをネルソンを支える賢婦人として描いてて、
その辺はちっともおもしろくないですね。
いかにもイギリス的な規範に納めて、紳士と淑女の国の物語に仕立て上げた感があります。
製作しているうちに第2次世界大戦開始の様相が濃くなってきて、
ネルソンを神聖な英雄に描く必要があったのかもしれません。

しかし、ヴィヴィアンリーの美しさを愛でるなら、たいへん良い映画です。やはり尋常でない↓
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私自身は史実の方のネルソンとエマとハミルトン公爵がおもしろかったのですけど…。
だって「3人夫婦」と呼ばれていたとか…。わくわくしませんか?

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芳賀書房のシネアルバムといえば、映画俳優の貴重写真を眺めて楽しむにはもってこいのシリーズでした。
一冊2000円くらいしたと思うのですが、
当時の中学生が買うには高かった!

私が持てたのはヴィヴィアン・リー、エリザベス・テーラー、アラン・ドロンだけ。
(見事に美男美女ばかり)
大切に大切にしていたのに、どこへ行ったのでしょう、あの3冊は…。

中学3年で卒業間際の頃、美術科で木版多色刷りをしたとき、課題は風景だったのですが、
木版の裏面を利用して、アラン・ドロンを刷るべく家で何度もシネアルバムを見てスケッチしました。
もちろん美術の先生には「風景の方もちゃんと刷ります!」と宣言して了解ずみ。
さっさと課題を彫り上げ、
勇んで裏面を三角刀ですぱっと一刀入魂していると、
数名の女子からアラン・ドロンを刷ってほしいとリクエストが…。
「よっしゃあああぁぁぁっっ!」
美しい刷り上がりになるまで、奮闘いたしましたとも!

先生はあきれていたと思います。

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