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「劇場版∀ガンダム Ⅰ地球光/Ⅱ月光蝶」2002年サンライズ映画

みなさま、ガンダムにお髭はありますか。
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そして、黒歴史という言葉がこのアニメから生まれたことをご存知でしょうか。

1999年に、機動戦士ガンダム放映20周年を記念して放映されたTVアニメーション「∀(ターンエー)ガンダム」。
それを2部構成の映画にまとめたのが、本作です。


先にTV版を見ていたワタクシが、∀ガンダムに感じることは、他のガンダムにはない幸福感でした。

これも戦争の話ですから、どこが幸福なの?と突っ込まれそうですが、画面からは幸福のオーラが放たれていて、
特に、劇場版第一部「地球光」では、それが見事な凝縮を見せていました。

人が住むには厳しい環境に陥った地球から月に移住した人類の子孫ムーンレィスがいたが、地球で再生に携わった人類の子孫達はその歴史を忘れてしまった。
ムーンレィスが地球に還ろうとした時、地球と月の間で戦争になってしまう。
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その戦争を食い止めようとする2人の女性↓(月の女王ディアナ、地球の少女キエル、この二人は何度も入れ替わる)と
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彼女達を愛する一人の少年↓(ロラン、環境適応実験のため、月から地球に来ていた)の物語です。
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なんでしょうねぇ、時にユーモラス、時にシリアス、時にワクワク、時に涙腺決壊
万華鏡のようにさまざまな顔を見せ、さまざまに心を揺さぶる物語ですが、
底に流れているのは「エネルギッシュな人間達が織りなす、たいへんまっとうな物語」であること。

なんでしょうねぇ、古典的な物語がこれほどおもしろいとは。
時にとりかえばや物語、時に竹取物語ロミオとジュリエット姫君と騎士の物語、そして金枝篇のエッセンス。
それを楽しめることが幸福感であると、ワタクシ、感じるのでございます。
逆に言えば、歴代のガンダムが古典のパワーを失って行った20年だったのかもしれません。

∀ガンダムのフィルムには、健やかな色気があります。「動く絵」に、温かい皮膚や肉体を感じさせる何かが宿っています。
人は頭だけで生きているのではない、ちゃんと体も持っていて、それらは健やかですか、と問いかけてくるような、
不思議な感じ。

第2部「月光蝶」は、月の狂武人ギム・ギンガナム↓の登場で、少々趣がジェットコースター風味にハイテンション。
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うん、怖いなぁ。
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うん、とっても怖い。この人は机上の演習しか知らない。
つまり頭だけで生きてきたので、実戦でタガが外れてしまったようです。
どうやら彼の見事な筋肉は飾りにすぎなかったのでしょう。
話の通じない狂いっぷりで、物語の一番健やかなところをぶち壊しに来るため、ワタクシ、「早く成仏しろ」と思わずにはいられませんでした。

第1部も第2部も、ともにエンディングは菅野よう子の素晴らしい音楽にのせて
遠いおとぎ話のようでいて、現在としっかりつながっている世界を見ることになります。

核兵器と放射能のこと、人が環境を虐げていること、人が人を虐げること、そして戦争。
しかし、それでも人に必要な自然と心を育み、幸福でありたい、健やかでありたいと願い、そのために戦うこと。
∀ガンダムの根底には人間賛歌があると思えます。
そう思えるから数あるガンダムの中で一番好きなのでしょう。

シド・ミードによる∀ガンダムのデザインと
安田朗デザインのキャラクターデザインを初めて見た時の嬉しい衝撃と予感
「まったく新しいガンダムになる!」は今も薄れることなく、ときめきのように覚えています。

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今回のプラスワン

ワタクシが見た歴代ガンダム。
「機動戦士ガンダム」最終的にララァが好きでした。

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「機動戦士Zガンダム」カミーユが気持ち悪くて、可哀そうで、最後までストレスが貯まりました。人間、悪辣なものをみてると心がすさみますね!

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「機動戦士ガンダムZZ」お風呂大好きエルピー・プルだけ覚えています。それと妙なベクトルのファッションと。

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「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」シャアに付き合って喧嘩するアムロの方が大人かもしれません。
こんなシャアは難義です。

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「機動戦士ガンダムF91」冒頭の学祭から戦時下への急展開描写がすごいです。

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「機動戦士Vガンダム」辛すぎる物語。でも千住明のサントラは素晴らしかったし、富野監督の楽曲ネーミングも素晴らしかった。

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「機動武闘伝Gガンダム」えー、お兄ちゃんと中華の師匠が暴れる話でしたか?違う?

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「新機動戦記ガンダムW」第一話から大爆笑させていただきました。まことにすみませんでした。

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「機動新世紀ガンダムX」小さかった子供にせがまれて、懸命にこれのガンプラをいくつも組み上げました。
話は…何だったのかな…。月が出ているとか出てないとか…。

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「SEED」「00」「UC」「AGE」はほぼ未見です。

そして、いよいよ富野御大の新作「Gのレコンギスタ」が近づいてまいりました!
たいへん楽しみです(キングゲイナー風味でないことを祈る)


(元記事は2013年7月19日に書かれました・エントリー720)
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「バーン・アフター・リーディング」2008年アメリカ製作

「Burn After Reading」=読んだら焼き捨ててね!=読後焼却
つまり「機密文書」という意味のタイトルなのだけど
この映画の読後焼却なる文書は
「あまりにつまらないので焼き捨てろ」という意味にもとれかねないほど
アホウなエセ機密文書。
それをめぐって壮絶に複雑なブラックコメディが展開する。
文で説明するのを躊躇するには十分な複雑さだ。

かいつまんでネタバレまですると

「トレーニングジムに勤める整形狂い女がCIAぽい怪文書をネタにして、最終的に整形費用を手に入れる」
………
うーん、これはかいつまみすぎ…。

では、なにが壮絶に複雑なのかというと
キャラクターが多いうえにひと癖もふた癖もあるヤツばかりが妙なところでつながっているところ。

アホウなエセ機密文書(CIA暴露本)を書いたアル中男(CIAを追い出され無職)↓
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その妻(医者)↓は
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元エリート国家公務員↓と浮気中で極秘に離婚準備中
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その元国家公務員は出会い系サイトで知り合った整形マニアの女↓といい仲に。
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その女は、エセ機密文書を重要機密と勘違いした同僚の筋肉&iPodマニア男↓と共謀し、
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アル中男から金をゆすりとろうとしていた。



それを中核として、その周りに医者の弁護士とその秘書やら、ロシア大使館やら、
整形マニア女に惚れている上司やら
整形マニア女が出会い系サイトで知り合った別の男やら
国家公務員の妻(多忙な絵本作家)やら、アル中男の元上司やら

たいへんな人数の関係者であふれているだけならまだしも、
彼らがちょっとずつちょっかいを出して、コトを複雑にしてしまう。
予測不可能な展開。

とくにハリウッドスターをたくさん起用しながら
筋肉マニア役のブラッド・ピットのもったいない(途中で未必?の殺意により額に穴が開けられる)使いっぷりにはまいった。

ブラピのえらいぶっ飛んだおバカ演技もそうだが、
役者さん達はちょっと抑え気味ながら
バカバカしい事態を真剣にバカバカしく演じていて、実にいいブラックコメディ。
プラッド・ピット以外が強迫観念に憑りつかれていく様子がおかしすぎる。
彼だけがなぜ強迫観念と無縁かといえば、彼だけが天然だから。

坂道を転がり落ちるような急展開がたまらない。

「なぜ、そこに足を突っ込んだ?!」「待て、ヤバい !」
「あああ(何も言えない)」
「あああ~(何も言えない)」

ひょんなことで彼らの人生はえらく狂いましたが、「カタツムリ枝に這い、すべて世はこともなし」の如く
宇宙から見れば、茶碗の中の嵐。
そのうえCIAの元上司達は整形マニア女に金を差し出し、事の真相に迫る気はない。

本当にブラックなオチが待っていたわけですが、とにかく引き込まれる90分。
損のない90分でした。
ティルダ・スウィントンの出演を知らずに観たので、たいへん得をした気分でもありました。


今回のプラスワン
 
CIAって知ってるかい?
ワタクシ、聞いたことしかありません!
以前「羊たちの沈黙」見た時もヒロインがFBI訓練生で、うっかりCIAと間違えそうになって
とりあえずアメリカ合衆国の政府組織的なモノくらいの認識力です。

そういうわけで(どういうわけだ)調べてみました、CIA。
Central Intelligence Agency、アメリカ合衆国中央情報局。
へー、インテリジェンス・エージェンシー。
詳しくはその手のサイトがいっぱいあるので、ここでくどくど述べませんが、
インテリジェンスがはたしてどの程度のモノかなって
おちょくっているのが
「バーン・アフター・リーディング」ですね。

映画の中で、筋肉マニアはiPodマニアでもありまして
アップル社製品を使いこなしているんだぜ!かっこいいだろ!と、
これ見よがしに腕に巻きつけているわけですが、

彼はアル中男が書いた文面をよく読まないで
機密文書と決めつけたわけで
周囲の誰ももう一度アル中男の文面をじっくり確かめようとしない。
もしかしたら、アル中男も文章が下手糞だったのかもしれない。
その証拠に
ロシア大使館員は「この文書に何の価値もない」と見抜いて、ひどい対応になる。

大なり小なり、怪しいインテリジェンスが横行するのが人の世なのでしょう。
 
この映画を観て、ゲラゲラ笑っていたワタクシですが、
ふと我が身をかえりみれば
「人のこと笑えない」ほど
どっぷり怪しい知性であることは確かです。あっはっはっはっは…。

(元記事は2013年5月9日に書かれました・エントリー710)

「イングロリアス・バスターズ」2009年公開アメリカ映画

ひどい映画です←褒め言葉

予告編でヒトラーが「nein!nein!nein!nein!」ブラピが「yes!yes!yes!yes!」と叫んでて
「ああ、きっとマトモな映画じゃないな。コメディにしてはハードそうだな。」と思った。
予想のななめ上をいくひどい映画(←褒め言葉)だったが、
監督タランティーノの「好きなモノでマニアックに遊んでもエンタメ道」は外れていない。

注・この記事に関してのみ「ひどい」は褒め言葉です

イエスイエス!と叫んでいたブラピがひどい。
弾丸トークで8人の部下に命ずるのは「ナチを殺して頭の皮剥ぎ。俺もやる。一人100枚。」
しかもブラピ演じるレイン中尉はインディアンの血を引く男。
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差別を逆手にとったひどい設定だ。

彼に率いられるイングロリアスな野郎どもが、これまたハリウッド映画のステレオタイプなユダヤ青年でひどい。
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中でも野球バットで(これ重要)ナチを殴り殺す「ユダヤの熊」ことドニー・ドノウィッツ軍曹の目がイッてる。
怖い。
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ついでに現地でヘッドハンティングしたヒューゴ・スティグリッツがひどい。
残忍で血に飢えている。
(ちなみにヒューゴ・スティグリッツは某ホラー映画の主役の名前。)
(また、ヒューゴ役のティル・シュヴァイガ-はドイツ映画「ノッキン・オン・ヘヴンズ・ドア」の立役者!)

ナチ高官はとりわけイングロなヤツらだが、中でも最高にイングロなのが
クリストフ・ヴァルツ演じるランダ大佐。
ねっちねちの「ユダヤ・ハンター」
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ねちねちぶりが異常。
幕開きの音楽(映画「アラモ」の主題歌)の美しい余韻をぶち壊すねちねちが炸裂する。
延々とねっとり会話でフランス人農夫を追い詰め、
床下に隠れたユダヤ人一家を殺す。
その時脱出した少女ショシャナが5年後に復讐の女神のごとく現れ、「ヒトラー&ナチ高官を映画館ごと丸焼き」計画を立てる。
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実際にはイングロ・バスターズがこれを知らずに飛び込んで
「ヒトラー&ナチ高官を銃殺・映画館ごと爆破」する結果になる。

なんという嘘歴史のカタルシス!もう、なんでもアリだ!ひどい!

ショシャナを演じるメラニー・ロランも
ドイツ人女優スパイを演じるダイアン・クルーガーも金髪美女だが、
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最初に出てくる農夫の3人の娘が、ムダに金髪美少女!
なんだ、この趣味の良さ。
そして情け容赦なく、金髪美女を殺しまくる趣味の悪さ。
イングロな野郎どもも死にまくる。
ちょっと無駄死にっぽくないか。
はっきり言おう、無駄死にだ。しかし、エンタメはこうでなくてはならない。
血煙にワクワクし
謀略にドキドキする。
地下酒場でのイングロ野郎たちとナチ兵士たちの息詰まる騙しあい、緊張感MAXでいきなり銃撃戦展開。
生き残ったドイツ兵とレイン中尉の駆け引き、それをぶち壊す女優スパイ。
さらに彼女を治療するふりして半ば拷問するレイン中尉。
あるいは、ショシャナと知らずに彼女と再会したランダのもったいないタバコの消し方。
あるいは、女優スパイを尋問ついでに絞殺するランダ。
いずれも手に汗握る一幕だが、悲愴感がない。
むしろ、おかしい。
イングロリアスはどこまでいってもイングロリアス!エンタメはこうでなくては。

イタリア人に化けたレイン中尉とイングロ野郎たちに、ランダが流暢なイタリア語で話しかけるシーン。
レインに「ゴルラ~~~ミィ」と言わせるタランティーノ脚本。ひどい!

ラストシーンのレイン中尉のセリフがイカしている。
「俺の最高傑作になりそうだぜ」
うん、この映画もたぶんそうなる。
タランティーノ氏にはさらなるマニアック道の精進とエンタメを突き抜けた世界への飛翔を期待する。

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妹が言うことには、高校時代の私はラジオの映画番組を録音して暇さえあればテープ起こしをしていたそうです。
「え、そんなことしてたっけ。」
本人は完全に忘れているようです。

でも、「イングロリアス・バスターズ」では、そんな遠い記憶を呼び起こすモノがたくさんありました。

オープニングの名曲(聴き覚えがあると思ったら、映画「アラモ」の主題曲だった)
作曲はエンリオ・モリコーネ。


元の曲。
The Green Leaves of Summer - Original Soundtrack by Dimitri Tiomkin (The Alamo)


で、ヒューゴ・スティグリッツのテーマ曲になっているのが、
映画「シンジケート・キラー」の主題歌にして原題「SLAUGHTER(スローター)」
意味は「屠殺者」「虐殺者」って、ヒューゴそのままか。
潔いほど、ぴったり。


エンド・クレジットはこれ。
映画「アロンサンファン 気高い兄弟」のテーマ曲、これも作曲がエンリオ・モリコーネ。


あと、レイン中尉の下手なイタリア語
「ゴルラァァ~ミ」って、映画「ベラミ」のもじりでしょうか?深読みしすぎか?

(元記事は2013年4月5日に書かれました)

「宮廷料理人ヴァテール」2000年公開仏・ベルギー・英合作

忙しい映画だ。始まった時からてんやわんやである。
開始5分で数キロに及ぶ立派な馬車の列を見たら今度は映画の製作費が心配になる。
(フランス映画では、過去最高40億円)
しかし心配している暇はない。
ここで映像とセリフをしっかり追っていないと、この先の人物相関図が描けないうえに、
シチュエーションがさっぱり分からない仕掛けになっている。
けっこう集中力が試されます。
実在した人物、フランソワ・ヴァテールの最期の3日間を豪華絢爛に描いた歴史映画、原題・Vatel。

おそらく音楽(特に後半のアディエマス)を入れ替えたと思われるDVD収録の予告編
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宮廷料理人というより、饗宴の企画立案・総監督・総指揮をするのがヴァテール。
したがって、総責任者です。
精神は誇り高く、仕事は妥協なく、主人と決めたコンデ公ルイ2世にのみ忠誠を捧げるヴァテール。
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演じているのはジェラール・ドパルビュー。近年フランス政府が打ち出した超富裕層への超課税率に反対して、現在ロシア国籍取得というツワモノです。

コンデ公ルイ2世は役職復帰(もともと勇猛果敢な将軍)のため、シャンティイ城にルイ14世を迎えて大饗宴を開く。
痛風の持病を抱えたコンデ公ですが、なんのその。
ヴァテールの采配を信頼して、お任せ状態というより丸投げ状態。
そこにベルサイユから、宮廷が丸ごと移動してくると
怪しい人も一緒に来てしまうわけです。王の弟フィリップと取り巻き達
(ヴァテールの弟子を小姓に欲しがる等、困らせまくる)↓
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王から見向きもされなくなった王妃に仕える女官、麗しのアンヌ・ド・モントージェと
彼女に嫌われている野心家のローザン侯爵(鶏冠のようなカツラ着用)↓
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フランス太陽王ルイ14世のための饗宴シーンは人力を駆使してて、おもしろいです↓


しかし、おもしろいだけでないのが宮廷で、
3日間の饗宴の裏には野望と死と絶望が激しく展開する映画前半。

さて、ヴァテールと惹かれあったアンヌ・ド・モントージェが饗宴1日目の夜に王の夜伽を務める。
この栄誉はいつまで続くのか。ヴァテールに惹かれる一方で権力も魅力的だ。
ユマ・サーマンが美しい、清々しい美しさとはうらはらに揺れ動く女心。

何もかもが凄まじく盛り沢山です。
料理の量が半端ない。
質も極上を感じさせる画面だし、思わず生唾を飲みそうになる。
コンデ公は王家の傍流だけに城も調度も素晴らしい。
人もひしめき合う。
王の公妾(公に愛人制度があった)、大臣達、その秘書、その侍従、その侍女、入り乱れる人間関係。
コンデ公の城の使用人もスゴイ数で、近隣の村から臨時動員。
そこに納入業者が借金取りに来るわ、
花火に驚いた馬が暴走して死人が出るわ、
コンデ公の痛風が悪化して侍医が走り回るわ、と
忙しいエピソード満載。

画面の密度が高い、マジで高い。モノがぎっしり映り込んでいる。
饗宴シーンはたいへんを通り越している。

しかし、この話はコメディではないのです。
後半になればなるほど、痛々しいムードが漂う。
結局ヴァテールは自刃して果てるのだが、その原因を彼の誇り高さだけでなく、
架空の女性アンヌ・ド・モントージェを介して
巨大権力に振り回される奴隷のような自分の姿に絶望する過程が浮き出る仕掛けになっています。
その辺は現代人には簡単には理解しにくく、
また簡単に共感も納得もしえない世界です。

だから時々見返したくなります。
命と引き換えにするほどのヴァテールの価値感、あるいは誇りとはどのようなものだったのか。
この辺が欧州映画とつきあう難しさでもあり、おもしろさでもあるのです。


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美味しいものが好きっ!

私は決して食いしん坊ではありません。
大食できません。
疲労が貯まると、すぐに胃に来ます、吐きます。
よく効く鎮痛剤を飲むと、胃が荒れます。
かつてはコーヒー一杯で胸やけを起こしていました。
 
我が家の食生活は祖母の方針で「ほぼ間食禁止」、
めったにおやつのない子供時代でした。
甘いものといえば、幼稚園で飲むヤクルトの味しか知らなかったし、
チョコレートは年に2回の遠足だけ。
代わりに酸っぱい八朔がゴロゴロしていました。
ご馳走は魚の干物やコンビーフの缶詰、祭りの巻き寿司でした。
 
母の買う婦人雑誌の料理ページのグラタンに憧れていました。
グラタンはオーブンなしでは作れないと知って落胆したものです。
高校生の時、やっと家にオーブンが来ました。
他の電機製品と併用するとよくブレーカーが落ちました。
とほほでした。
 
料理のシーンで「ああ~、美味しそう」とワクワクするのは
こうした成長期の食事情が無関係ではないと思います。
これからも映画の中の料理からは目が離せないでしょう。
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